日本人のhospitality。

hospitality = (n)親切なもてなし

世界中のいたるところにレストランがあり、コンビニがあり、ホテルがあり、観光名所、空港などがある。
それら商業目的の場所があれば、そこに働く人達がいて、そして接客というサービスがある。
そのサービスの良し悪しは千差万別である。

そして、日本人なら気付く。“日本ならありえないな、この接客の仕方は。”と感じること。

そう、日本人はhospitalityが高い。
それが当たり前の環境に育ってきた。
日本では当たり前の接客業の仕事振りが、海外では当たり前ではないことが大半であるだろう。
そして、“日本人でよかったな~”と誰もが若干でも感じることだろう。
日本人が気付かないうちに持っているhospitalityを誇らしく感じることだろう。
今、海外で生活してみて、そんなことを感じる。
これが日本が誇れる文化なんだと、改めて感じる。

時間は止まることはない。
そして毎日、世界中の至る所で新しいデザインや商品、が生み出されている。
しかし、その大半は世代や市場の波に飲み込まれて、いつかは消え行く運命にある。
よっぽどの名品・名作と呼ばれるモノやデザインでないと次の世代へ残ることはない。
それはほんの一握りに過ぎない。
そんな消費される目的で時代を作ってくモノやデザインの在り方は間違っていないし、必要不可欠なものだ。

そんな“生き物”だからこそ、最も大切なのはhospitalityなんだと思う。

なぜなら、hospitalityは“モノゴト”を始める重要な基盤になり得るからだと感じている。
hospitalityという重要なベースがあれば時代を見失うことはないはずだ。
デザイナーに限らず、誰にとっても必要な基盤になりえると思う。

日本人が世界で活躍する一つの大きな武器はhospitalityの高さにあることに間違いないだろう。

しかし、昨今の日本では偽装の問題など、hospitalityの間違った使い方をされてる面もあることも忘れてはならない。
より安価に提供しようという欲や会社の存続の為に消費者の顔を見ずに市場に出回る粗悪品の存在も、日本にはある。
これも事実なんだ。

“日本の”hospitality を忘れないでほしいと思う。日本人なら。そんなふうに思う。

2008.07.05

堀 真寿